マンション経営で入居率を上げるための方法
マンション経営だろうとアパート経営だろうと、不動産投資においての一番の大敵は空室です。空室は想定していた当初の利回りを下げてしまいますし、空室の間は家賃収入が入らないので、キャッシュフローが悪化する恐れもあります。では、このような空室をできるだけ作らないようにするためには、いったいどのような対策が必要なのでしょうか。
空室はキャッシュフローの流れを鈍らせる大敵
東京のような人口の密集地域でマンション経営をするのであれば、空室などでないと考えるのはよくありません。東京を含めてどの地域で不動産投資をしようと、空室はつきものだからです。それは、立地の良し悪しにかかわらず、どのような立地のよい物件であったとしても、1つや2つの空室はある物です。
しかし、優良物件であれば退去があったとしても、すぐに次の入居者が決まります。ところが立地が悪かったり作りが古いような物件の場合には、退去が出た場合に次の入居者がなかなか決まらないといったことがしばしばおこります。
それが3か月や半年も続くこともままあります。そうなるとその間の家賃収入は当然ながら入ることはありません。これはとても無駄でもったいない話なのです。マンションやアパート経営の大家にとって、この空室期間をできるだけ埋めることができれば、立派な大家であるといえるのではないでしょうか。
そのためには空室を作らない対策をいくつも考えることが大切です。ターミナル駅の近くにある物件であれば、そのようなことを考える必要なないかもしれません。駅から近かったり、東京都心まですぐに出れるような場所にある物件ならば、比較的すぐに埋まる可能性が高いからです。そうではない物件を所有しているのであれば、アパマン経営の大敵である「空室」を作らないようにする作戦を考えなければなりません。
大胆に間取りを変更してみよう
では、マンション経営における空室対策には、どのようなものがあるのでしょうか。たとえば東京でも、昭和や平成の初期に建てられたようなマンションやアパートであれば、2DKや3DKなどの間取りの物件が多くみられます。このような間取りは現代ではあまり人気ではありません。
もちろん家賃を値下げすれば入居者が来ることも考えられますが、もし資金的に余裕があるのであれば、思い切って部屋の間取りを変えてしまうような、リフォームやリノベーション工事を施してみるのもよいかもしれません。例としてあげると、2DKであれば1LDKに改造してみたり、3DKならば2LDKにしてリビング部分を新たに作るという方法があります。
2DKであればファミリー向けの物件として貸すことができますが、1LDKであれば少し大きめの単身者タイプの物件として貸すことができるのです。リフォーム工事には費用が掛かりますので、その費用は家賃収入から修繕費としてためた現金で行うこともできます。
修繕費はこのような大規模なリフォーム工事の費用も賄うことができるのです。ですから普段から家賃収入は無駄遣いせずに、いざというときのためにある程度は残しておいた方が無難です。間取り変更まではしないとしても、外壁の塗装を変えたり、屋根瓦の変更なども新築にできるだけ近づけるように見せるためには、大変効果のあるリフォーム方法です。
ユニットバスをやめてバスとトイレを独立させてみる
昭和の時代に建てられた物件でもう1つ特徴的なのが、ユニットバスの物件ではないでしょうか。ユニットバスとはその名の通り、バスルームとトイレが一1の部屋で1緒になっていることです。人口が増加していた昭和の日本では、このようなつくりでも入居者が普通にありました。
ところが現代ではユニットバスの物件はお荷物扱いになっているのです。1日の疲れをバスルームでゆっくりと取りたいのに、トイレが見えていてはあまり感じのよいものでもありません。トイレがあると深呼吸するのも嫌になるのが常というものです。このようなユニットバスをリノベーション工事で改造して、それぞれを独立させてみてはどうでしょうか。その工事だけでも入居率が変わってきます。
さらにその工事をすれば費用が掛かりますが、家賃を値上げすることも可能になります。家賃の値上げは修繕をしなければ難しいですが、このような大規模な工事をすれば費用が掛かります。その費用分を家賃の値上げで取り返すこともできるのです。
バスルームやトイレ、キッチンなどの水回りはとても大切です。入居者の内覧の時にその部分が汚れているだけでも入居を断る人もいるくらいです。水回りは少しお金がかかっても常に美しく保っていたほうが、空室をなくすのに役に立つでしょう。長期の空室を作るくらいであれば、少しくらい費用をはたいてリフォームしたほうがよいかもしれません。
マンション経営において、リフォーム工事は費用が掛かりますが、何カ月も空室を作るよりはるかによいでしょう。古い物件であれば、大胆に改造してみることが大切です。築50年以上の物件でも室内が美しければ、入居を決めてくれる可能性は高くなります。