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インボイス制度は不動産投資にどのような影響を与えるか

公開日:2023/02/15  最終更新日:2023/01/23


来年から始まる「インボイス制度」をご存じでしょうか。消費税に関する制度で、この制度によりさまざまな手続きが必要もしくは変更になる、と各所で話題になっています。では、インボイス制度は不動産投資にどのような影響があるのでしょうか。今回はインボイス制度が不動産投資に与える影響について解説します。

そもそもインボイス制度とは何か

インボイス制度とは、2023年10月1日に導入される消費税の仕入れ税額控除の方式です。正しくは「適格請求書保存方式」のことを指し、所定の記載要件を満たした「適格請求書(インボイス)」を発行・保存することで、消費税の仕入額控除を受けることが可能になります。

そもそも事業者が消費税を申告する際、課税売上にかかる消費税額から課税仕入れにかかる消費税額、つまり仕入れ時に支払った消費税を差し引きます。これを「仕入税額控除」といいます。これは消費税納付義務がある課税事業者にとって、消費税の納付負担を減らせる重要な計算で、現在は仕入れにかかった消費税全額を控除できます。

しかしインボイス制度では、仕入税額控除を受けるためには、税務署に登録した「適格請求書発行事業者」が発行した適格請求書(インボイス)が必要になります。もしインボイスを受け取れないと、控除ができなくなり、消費税の負担が増えてしまいます。また発行事業者として登録できるのは課税事業者だけです。そのため、消費税納付の義務がない免税事業者は、登録も発行もできません。そうすると取引先の課税事業者にとって、免税事業者と取引することは、自分たちの消費税負担が増えることになります。それを防ぐため、取引停止や消費税分の値下げを要求される可能性が出てきます。

対して免税事業者はインボイス制度に登録することで、消費税の納付義務が発生します。このようにインボイス制度は、現在の消費税納付義務の有無にかかわらず、すべての事業者に大きな影響を与える制度です。

インボイス制度は不動産投資にどのような影響を与えるか

ではインボイス制度は不動産投資にどのような影響を与えるのでしょうか。

まず居住用賃貸物件のオーナーは、基本的に影響がありません。なぜなら住宅の貸付けは、消費税の非課税取引だからです。入居者が消費税の課税事業者でも、納付額の計算に影響はないので、インボイス制度の影響は基本的にありません。

対して事業用物件のオーナーである場合、注意が必要です。事業用物件の取引は消費税の課税取引にあたり、物件の入居者が課税事業者である場合、消費税額から控除を行っています。もし物件のオーナーが適格請求書発行事業者でない場合、入居者はインボイスが受け取れず、消費税の納付額が増えてしまいます。そうすると、入居者は物件の退去もしくは消費税負担分の減額をオーナーに要求する可能性が考えられます。将来的な入居者の減少にもつながってしまうでしょう。

そして課税事業者が事業用物件を購入した際、消費税還付を受けることが多いです。もし売主がインボイスを発行できない場合、この購入にかかる消費税が控除できず、消費税還付を受けられない可能性が出てきます。

ここまでで「いまは免税事業者だけど、とにかく適格請求書発行事業者になればいい」と考える方もいるでしょう。ただインボイス制度に対応できるようになると、課税事業者として消費税を納付する必要があります。これまで手元に残っていた預かり消費税額を収めることになるので、以前より収益が少なくなってしまいます。

インボイス制度の影響をなるべく受けたくない!対策すべきなのか?

あなたが事業用物件のオーナーで現在、免税事業者である場合「適格請求書発行事業者」として登録することをおすすめします。短期的な視点で考えた際、手元のお金が減ることよりも、現在の入居者が退去してしまうほうが問題になるでしょう。登録せずに消費税相当額を賃料から減額する方法もありますが、物件の競争力にも影響してしまうので、注意が必要です。減ってしまう収益を少しでも減らすためには、簡易課税制度の利用を検討しましょう。

簡易課税制度とは、控除する消費税額を、課税売上高の一定割合とできる制度です。不動産業の場合、この割合は40%です。ただしこの制度を利用するためには、基準期間の課税売上高が5,000万円以下であることが条件となっています。また、制度の適用には「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必須です。

まとめ

ここまでインボイス制度の概要と、不動産投資業に与える影響について解説しました。インボイス制度は消費税計算に重要な仕入税額控除に関する制度で、仕入税額控除ができるのはこの制度に登録した課税事業者のみとなります。事業用物件のオーナーによっては、今後の取引や手元資金に大きな影響を与える制度のため、制度についてきちんと対処する必要があります。この記事も参考に、インボイス制度への理解を進め、来年の制度開始に備えましょう。

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